「自然資源を活かして地域の社会課題の解決に貢献する」
その強い夢・想いを実現可能なプランへと作り変え、共感を得てチームを作り、コミュニティーを動かしていくために
必要なノウハウを学ぶ4泊6日の特別研修プログラムです。
どうしたら大切な地域をずーっと守っていけるだろう?
現在私たちは様々な社会的課題に直面しています。地球規模で顕在化する温暖化や災害の増加、生物多様性の喪失に加え、急速な人口減少に伴って経済の低迷や雇用悪化・地域コミュニティーの衰退などが深刻となっています。個々の課題が複雑に関係しあっていることから、その解決には複合的なアプローチが望まれています。
この社会的課題に対する解決方法の1つとして、地域の生物多様性を活かすアプローチがあります。生物多様性は日々の私たちの暮らしを支えてくれる様々な恵み(生態系サービス)をもたらしてくれるだけでなく、地域ごとの固有性は街のブランド力や独自性のある商品・サービスを生み出す上での経済的資源ともなります。
例えば、親子で学ぶ林業体験エコツアーによって荒れた里山を管理し、再生可能な薪を使ったストーブやボイラーで地域の光熱費を削減し、明るくなった林や草原に再び見られるようになった野草の花々を新たな観光資源や商品開発に役立てる。地域の自然資源を守り、活かすことで、エコロジー・エコノミー・エネルギーの問題に同時的にアプローチする新たな取り組みが現在日本の各地で徐々に始まっています。
本研修は、雇用や経済・地域コミュニティーに関する社会的課題を「地域の自然資源を活かして解決に貢献したい」と思いを強くする方々に全国から集まっていただき、その夢をより社会的インパクトのある構想に高め、実現可能性の高いプランへと作り変え、協力者・支援者の共感を得ながら新たな活動を形にしていくことを目指して必要な知識・技術・経験を学ぶための4泊6日の特別合宿研修です。
主催: (公財)日本自然保護協会 ・ 環境省 生物多様性センター
事務局: (公財)日本自然保護協会
日程及びスケジュール
■2016年7~8月 参加者募集・決定
■2016年9月9日(金)~11日(日) 第1回研修会(東京・2泊3日)※
場所:東京都中央区
日時:9月9日18:00~11日14:30(予定)
■2016年11月12日(土)~14日(月) 第2回研修会(能登・2泊3日)※
場所:石川県輪島市穴水町
日時:11月12日17:30~14日14:00(予定)
※宿泊場所は当事務局で準備します。詳細は開催要項にてお知らせ致します。
募集要項
■受講料: 無料
※:宿泊費無料。交通費も一部補助(最大3万円)あり。
※:研修中の飲食代はご自身で負担いただきます。
■定員: 20名
■選考方法: 書類選考(8月末までに決定・通知致します)
■応募の流れ: 下段の「応募&参加方法」を参照ください。
■応募締切: 2016年8月14日(日)必着
【講義】
新たな里山利用の促進を通じた、生物多様性保全と地域創生への総合的アプローチ
●私たちが直面する社会的課題と、25年後の姿
●自然資本としての里山の生物多様性
●木質バイオマス利用を含めた、新たな里山の利用促進の最前線
●生物多様性保全と生態系サービスを活かした社会的課題解決へのアプローチ
【実習】
他人を巻き込むコミュニケーション技術
●コミュニティ・オーガナイジングとは何か
●人々を行動にかきたてるためにストーリーを語る技術
●コミュニティーを構築し、資源をパワーに変える
【実地研修】
石川・能登での自然資源を活かした地域づくりの実例
●「能登里山里海マイスター」育成プログラム の取り組み
●土地に根ざした学びの場・「まるやま組」の取り組み
世界農業遺産(GIAHS)にも認定された能登の里山里海の現場で、
現代的な人と里山との関係を再構築しようという様々な方々の活動を視察し、
生物多様性アクション大賞も受賞した「まるやま組」の取り組みから学びます。
【ワークショップ】
共感力と社会的インパクトを高める、アクションプラン作り
●地域の共感を得るものは何か?地域の自然資源の掘り起こしと、アクションの構想づくり
●どう効果の高いアクションを選び、デザインするか?ギャップ分析とログフレーム
●協力を得ながらプロジェクトを成長させるには?受益者と支援者の設計
●社会的インパクトを定義し、適切な成果目標を設定する
木質バイオマスの利用をはじめとした新たな形での里山利用促進や生物多様性の再生活用を通じた、
自然環境保全・エネルギー自給・地域創生などへの総合的アプローチの有効性が理解でき、
それにそった取り組みを開始する上で必要な基礎知識が身に付きます。
他の地域の事例や、異なる分野の参加者とのコミュニケーションを通して、今まで気が付かなかったような地域の自然環境や生物多様性の有する価値を再発見し、新たな地域づくりにつながる新たなアクションのアイデアを構想する力が身につきます。
自分自身や関わっている地域の現状、課題を客観的に見つめ、その課題解決に向けて確実かつ効果的な行動を開始するためのプランニング(行動計画づくり)を行います。今後、新たなプランニングをする際に役立ちます。
ひとりだけではできない新たな取り組みの実現にむけて、異分野の様々な人とコミュニケーションを取り合って、巻き込み巻き込まれながら、足りていないものを補い合えるようなチーム作りを進めていくためのノウハウを学びます。
阿部 剛志氏
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
専門は地域振興政策、食農産業政策、事業化支援。地方自治体の総合戦略・地域振興策の策定や事業化支援・人材育成に携わる。現在は新潟県の離島(粟島)での地方創生総合戦略策定の中心を担っている。
白川 勝信氏
芸北 高原の自然館
専門は植物生態学、合意形成。広島県芸北地域をフィールドに、自然と地域社会とを結びつける活動を行っている。地域通貨を活用してバイオマス利用と生物多様性保全を進める「芸北せどやま再生事業」中核メンバー。全国草原再生ネットワーク理事。
伊藤 浩二氏
金沢大学 地域連携推進センター
専門は保全生態学、人材育成。人材育成を通じた地域振興を目指す「能登里山里海マイスター」育成プログラムの運営と人材育成を担当している。
橋本 佳延氏
兵庫県立 人と自然の博物館
専門は保全生態学、植生学、生物多様性政策。地方自治体や企業の生物多様性関連事業のシンクタンク業務を行うほか、市民団体の活動支援に取り組む。
中川 重年氏
元 京都学園大学
専門は森林科学、バイオマス利用、環境教育。2016年3月まで京都学園大学教授として教鞭をとる。元神奈川県自然環境保全センター専門研究員、国立歴史民俗博物館客員教授。大都市の背後にある雑木林のある北摂の山々をフィールドにしている。
松澤 桂子氏
コミュニティー・オーガナイジング・ジャパン
フィリピンの農村でコミュニティ・オーガナイジング(CO、
萩の ゆき氏
まるやま組
能登の里山で自宅を住み開きしながら、土地に根ざした学びの場「まるやま組」を主催。人と自然のかかわりについて学び合いの場を提供している。デザイナーとして里山里海の恵みの魅力を引き出すブランディングなどにも携わる。1男2女の母。能登里山マイスター、能登いきものマイスター。
高川 晋一氏
日本自然保護協会
全国規模での市民調査の企画運営や、各地の保護地域の保全計画作りの支援、全国的にも重要な里山の保護運動、自然保護の人材育成事業にたずさわる。
以下の条件を満たす方に ご応募いただけます。
応募は2016年8月14日をもって締め切らせていただきました。非常にたくさんの方からのお申し込みをいただき、ありがとうございました。
■事前承認事項(個人情報・安全管理等について)
みなさまのご応募を、心よりお待ちしております。